頑固おやじの安衛講座 PARTⅤ

≪産業医≫

事業者は常時50名以上の労働者を使用する全ての事業場で産業医を一人以上選任し、労働者が3,000人を超える事業場では二人以上の産業医を選任しなければならず、また、常時1,000人以上の労働者を使用する事業場や一定の有害な業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では、専属の産業医を選任することとなっています。
産業医の資格要件は医師であって、次の何れかの要件を備えた者となっています。

① 労働大臣の定める研修の修了者
② 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験区分が保健衛生であるもの
③ 大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授または常勤講師の経験のある者
④ 平成10年9月末時点において、産業医としての経験が3年以上である者

産業医の職務としては主に次の事項を行うこととされています。

① 健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の健康保持のための措置
② 作業環境の維持管理と作業の管理に関すること
③ 労働者の健康管理に関すること
④ 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置
⑤ 衛生教育及び労働者の健康障害の原因調査及び再発防止のための措置

また、産業医は少なくとも毎月1回以上作業場を巡視し、作業方法または衛生状態に有害の恐れがあるときは、直ちに必要な措置を講じるとともに、必要と認めるときは事業者及び総括安全衛生管理者に対し必要な勧告をし、衛生管理者に対し指導、助言をすることができます。

次回は安全衛生委員会についてお話します。

2014/05/31 | カテゴリー : 労働学校 | 投稿者 : 篠原輝政

頑固おやじの安衛講座 PARTⅣ

≪衛生管理者≫

 事業者は常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場で安全衛生業務のうち衛生に係る技術的事項を管理させるため、衛衛生管理者を選任し、事業所を所管する労働基準監督署に届け出をしなければなりません。
 衛生管理者の資格要件は、農林水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業及び清掃業は第一種衛生管理者免許もしくは衛生工学衛生管理者免許を有する者または医師、歯科医師、労働衛生コンサルタントなどを、その他の業種においては上記資格要件以外に第2種衛生管理者免許を有する者でも可とされています。
 また、衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場を巡視し、設備、作業方法または衛生状態に有害の恐れがあるときに、直ちに労働者の健康障害防止のための必要な措置を講じる他、次の業務を行うこととなっています。

 ①健康に異常のある者の発見
 ②作業環境の衛生上の調査
 ③作業条件、施設等の衛生上の改善
 ④労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備
 ⑤衛生教育、健康相談その他労働者の健康保持に必要な事項
 ⑥労働者の負傷及び疾病、それによる死亡、欠勤及び移動に関する統計の作成
 ⑦衛生日誌の記載等職務上の記録の整備など

次回は産業医についてお話します。

2014/04/22 | カテゴリー : 労働学校 | 投稿者 : 篠原輝政

頑固おやじの安衛講座 PARTⅢ

≪安全管理者≫

安全衛生管理の最終的な責任はその事業のトップですが、それはラインのトップであり、必ずしも安全衛生管理についての専門的な技術を持ち合わせているとは言えません。そこで安衛法第11条では、一定の業種および規模の事業場ごとに「安全管理者」を選任し、安全に関する技術的な事項を管理させることになっています。
安全管理者は ①大学、高等専門学校における理科系統の課程を修めて卒業後3年以上、または高等学校における理科系統の正規の学科を修めて卒業後5年以上、産業安全の実務に従事した経験を有する者 ②労働安全コンサルタント(国家資格) ③その他厚生労働大臣の定める者の何れかの資格要件を満たす者のうちから選任し、その事業所を所管する労働基準監督署に届け出なければいけません。

また、安全管理者の主な職務は、
①建設物、設備、作業場所や作業方法に危険がある場合における応急措置または適当な防止の措置
②安全装置、保護具その他危険防止のための設備や器具の定期的な点検
③作業の安全についての教育及び訓練
④災害が発生した場合、原因の調査や対策の検討
⑤消防および避難の訓練
⑥作業主任者など安全に関する補助者の監督
⑦安全に関する資料の作成、収集及び重要事項の記録などを行うこととなっています。

次回は衛生管理者についてお話します。

2014/03/22 | カテゴリー : 労働学校 | 投稿者 : 篠原輝政

頑固おやじの安衛講座 PARTⅡ

 ≪総括安全衛生管理者≫

  労働者は仕事をするとき、作業を早く終わらせようと決められた手順を守らず、危険な作業方法をとることがある。もちろん安全担当スタッフがそこにいれば止 めようとするだろうが、安全担当スタッフがそこにいない時は、現場の作業責任者はそれを見過ごす場合もある。災害はめったに起きるものではなく、現場とし ては早く終わればそれに越したことはないからである。

  この場合に安全作業を徹底しようとすれば労働者の自覚は当然必要であるが、何よりも現場の責任者が安全作業の推進者になることが必要である。それには上か らの作業命令の中に安全作業が、前提として折り込まれていなくてはならない。つまり、安全作業は安全担当スタッフだけの責任ではなく、ラインの作業命令の 中に溶け込んでいることが必要であり、そのためには安全衛生管理の総括責任をはっきりとその事業のトップの責任とすることが必要であり、次号以降に記述す る安全管理者や衛生管理者は技術的な専門家として、そのトップの指揮下に活動することになる。

 こうして設けられたのが、労働安全衛生法第10条の総括安全衛生管理者制度であり、現在のところその選任を義務付けられているのは建設業や運送業などは常時100人以上、製造業や機械修理、卸・小売業などは常時300人以上の労働者を使用している事業場である。

2014/02/19 | カテゴリー : 労働学校 | 投稿者 : 篠原輝政

頑固おやじの安衛講座 PARTⅠ

 戦後日本は昭和40年代の高度経済成長時代を経て、その後実体のないバブル経済に突入し、そして、バブル崩壊後の失われた20年により我々を取り巻く労働環境は激変しました。

 労働の高密度化、就業形態の多様化、少子高齢化による労働人口の減少などは労働現場の安全を疎かにし、近年とみに顕在化する各種ハラスメントによる心の健康問題や過労死等も含め、近い将来の労働災害の増加を懸念させます。

  私たちは職場で働いた報酬として使用者から賃金を受け、大多数の人はその賃金で家庭生活(家族を含む)を営んでいるのですが、働くことに起因して怪我をし たり病気になったり、場合によっては職場環境に耐えきれず自殺したりしたのでは本末転倒、到底幸せな人生を歩むことなんかできません。
 もちろん企業には企業として、働く者には働く者としての、職場の安全を守るための義務(労働安全衛生法等)があり、それらを守るのは当然のこととして、如 何に安全で働きやすい職場をつくるのか、どうすれば労働災害を防げるのかについて、筆者の拙い経験が少しでも読者の職業生活にお役に立てばとの思いから寄 稿を決意しました。
 もちろん読者からの質問やご意見等にはできる限りお答えしたいと思いますので遠慮なくお寄せください。

2014/01/21 | カテゴリー : 労働学校 | 投稿者 : 篠原輝政